作成:2002年9月30日
棒術と鞨鼓舞 2002年9月29日(日)

古武術の棒術の演技があるということで、君津市内にある清和という地域の三島湖に近い三島に鎮座する三島神社の秋季例大祭を訪れる。この祭で奉納される棒術と羯鼓舞は千葉県指定無形民俗文化財である。

棒術は、源頼朝が安房から鎌倉に向かう途中、現在の君津に立ち寄り、付近の農民に護身として棒術を伝授したのが、この祭りの始まりとされている。

羯鼓舞は、五穀豊饒と雨乞いを祈願するという龍神が慈雨を降らせたという故事にならい、3匹の獅子が腹に付けた羯鼓(雅楽で使う太鼓)を打ち鳴らしながら舞い踊る。

棒術の演技では、六尺棒、刀、太刀、鎌、扇子等の武具を持って相対し、気合い鋭く技を展開するもので、いかにも男性的な力強さを感じさせる。
棒術は現在、豊英、奥米、宿原の三地区において伝承され、流派は、新当流丸橋派、朝山(浅山)一伝流、田原流、蓮見流等の諸流が相伝されている。

大幟は「 自家幟」と呼ばれ、前日 自家の庭先に鯉幟のようにまず立てる。そして当日、奉納に合わせて三島神社の境内まで1km行進する。 旧家が幟を作り 持ち手を代々努める。
神輿は棒術奉納の前と後に境内を練り歩き、盛り上げる
太鼓と笛で囃やす。太鼓打ちは入替りの交代で元気がある。
村の老人も昔のキネヅカで上手に打っていた
小太刀もある
少年剣士の棒術に人気があり、拍手・・拍手 気合を合わせて、「エイッ」。
 腰の後に鎌をさしており、刀を獲られたらこの鎌で対抗する。
刀と棒との一騎打ち。やはりオトナは迫力ある 刀の鞘で相手の太刀を防ぐ。剣術では足と腰が重要である

竹の棒で対抗したが、ものの見事に竹割りだ!

刀を獲られ、持っていた傘で防いだが、この傘を真二つに!
鞨鼓舞は、旱魃のとき、農民がこの社に集い、雨乞いを行ったところ、突然竜神が現れ、慈雨を降らせたという故事にならって、獅子を竜にたとえて舞いにした。
羽毛を密生させた竜頭を頭につけた親獅子、中獅子、牝獅子の3体が、ササラすりを四方に配し舞うもので、ササラを打ちならす音は雨音を表し、花笠の垂れ糸は、雨滴にたとえてある。
哀調をおびた笛の音に合わせ、腹部につけた小鼓「鞨鼓」を打ちながら踊る姿は優雅である。
笛に合わせて、ひょっとこに連れられて獅子が入場。
後ろにササラすりが4人続く

親獅子、中獅子、牝獅子が踊る

 ○ 期 日:毎年9月の最終日曜日頃
 ○ 場 所:三島神社/君津市宿原844
 ○ 交 通:JR内房線木更津駅から安房鴨川行きバス宿原下車徒歩5分
 ○ 問合先:(0439)56-1325 君津市商工観光課


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